一番最近読んだ漫画

「最終兵器彼女」

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この漫画がすごく苦手です。

ストーリー(by wikipedia)

北海道の田舎町で暮らすシュウジとちせ。
ちせは以前から好意を持っていたシュウジに度胸試しとして告白、
ぎこちない交際がはじまった。

そんなある日、謎の敵に札幌市が空襲される。
攻撃から逃げるシュウジが見た物、
それは腕を巨大な武器に変え、背から鋼鉄の羽根を生やした
兵器と化して敵と戦うちせの姿であった


背景にある戦争の発端だとか
世界情勢だとか
そもそも何故ちせが兵器になったとか

そういうことは一切描かれない。

あくまで、シュウジとちせのラブストーリーで、
何が起きているのかわからないまま
人が死に、世界が滅びる。

そのストーリーが短絡的とか
そういうことで批判したり嫌いになったりするわけではない。

読んでいて飽きたりしないし
むしろ泣いたりしたし
面白かったといえる類のものなんだけど

気持ち悪い。

そこにあるのはあくまでただの高校生のラブストーリーで
あくまで日常の延長にある風景で

ただその世界では毎日毎日たくさんの街が消滅していて
物凄くたくさんの人が
何かを守ったり貫きとおすこともなくあっけなく死んでいて

その違和感がいやだ
それに輪をかけるような絵のかわいさや
純粋でぎこちない恋愛感情の描写も
なんだかすごく居心地が悪い

たとえば「The world is mine」から
皮肉や風刺やスピード感を取り去って
残った残骸はこんな感じだろうか。

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The world is mine(wikipedia)

同じように世界が滅びても

「The world is mine」には

たとえば
宗教とは何か
正義とは何か
罪とは何か

世界をマクロ的な視点から俯瞰させてくれる要素があったし
暴力描写やスピード感で時には快感すら与えてくれるようなところもあった
読者が「神」の視点にいるイメージだ。

「最終兵器彼女」はそうじゃない
日常のなかの
滅びゆく人々とその最後のあがきと
かなえられなかった願いを

容赦なくミクロの視点で目の前に突きつけてくる。
読者をその残酷な日常に引き込んでしまう。

それはすごく
怖くて
切なくて
でも時には美しくて

すごく居心地の悪い気分になってしまう。

だから嫌いじゃないけど苦手。
そんなカテゴリのマンガです。

そんな読書感想文でした。






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